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無料期間でつないでいけば、当分タダで動画見れるんじゃないか…って思ってます、
しみったれです。
そんなゲオチャンネルの無料期間を利用して、噂の映画「桐島、部活やめるってよ」を鑑賞しましたので、ご報告いたします。
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まずは例のごとく、予告編をどうぞ。
神木隆之介くんが主人公なんです、一応。でも彼の名前は「前田」。桐島じゃないんですねー。この映画、最初から最後まで、桐島の姿は登場しません。
※一瞬、桐島らしき人物が遠くに映るシーンはあります(定かではありません)。
そんな不在の主人公「桐島」を中心に、まわりの登場人物たちが振り回されたりすることでストーリーが進行していきます。
また、同じ時間を別の登場人物の目線でとらえるような、そんな構成です。映画「エレファント」を思い出しました。こちらも国は違えど学校が舞台ですし。
って印象です。
普通の野球部、バレーボール部、帰宅部、オタク(映画部)、皆さんが経験してこられたような高校生活をきれいな俳優さんで観てるって感じです。みんなきれい過ぎます。でもそうじゃないと見てられないですよね。
野球部の先輩はリアルな気がします。あんな感じかと思います、弱小の先輩って。
登場人物もいい感じでいるいる感がありますね。イキって、美人の取り巻きみたいになってる女子とか、キライやけど嫌々つるんでる女子とか。オタクたちはオタクたちで、自分の信じているものが一番、みたいな言い方するし。スポーツ部の子たちがちょっと暑すぎるかな、でも抑揚がないと演技にならないしね。
自分が学生時代だったらどのグループかな、って考えながら観る人、多いんじゃないでしょうか。グループって言い方、よく学生時代してましたね…。なつい。
っていうと言い過ぎなんですが、同じ曜日が何回も登場し、同じ会話なんだけど、映像の中心にいる人物が違う、みたいな。
主要人物を箇条書きすると
他、いろいろ出てきますが、だいたいこんな感じ。
多いな…。ちなみに僕は全校生徒3000人超の超大型マンモス校に通ってました。
で、それぞれの関係性とか気持ちとか、書き出すとそれこそ普通のクラス紹介みたいになって、長文になってしまうので、割愛します。
前述しましたが、桐島を中心として、登場人物たちが振り回されます。
まず梨紗は桐島の彼女で、いつもバレー部が終わるのを学校で待っています。桐島が部活を辞めるという情報が流れから、連絡が取れず、イライラしだします。
次にバレー部。副キャプ孝介も桐島が辞めることでイライラして周囲にあたりちらします。リベロ風助は桐島がレギュラーリベロだったので、レギュラーに昇格します。しかし、桐島のように、チームの期待に応えることができません。
宏樹は桐島の親友。なのに彼も連絡が取れません。
他に宏樹の彼女の沙奈、それを知りながらも宏樹が好きな亜矢、バド部の実果はがんばっているけど結果の出ない風助を見守り、付き合っていることを公言していないかすみと竜汰、それを目撃してしまう前田。
桐島が中心的な人物だっただけに、直接影響のある人、間接的に影響を受けてしまう人、それぞれのストーリーがあります。
言わばクラスの「サブキャラ」的な前田。実質の主人公を彼にすることで、クラスの中心グループのいざこざを、クラスの中心にいない人物が、同じクラスのメンバーとして傍観している、そんな「客観」と「主観」のはざま、またはそれを行き来する、そういう風にとらえました。
女子が2人以上で仲良いなんてないと思ってます。偏見です。
この映画でもご多分に漏れず、一見仲の良い4人組ですが、梨紗は桐島から何の連絡もないことや、それを自分に聞かれることにイラつき、態度に出す嫌な女。沙奈は梨紗の取り巻きみたいな感じだけど、心のどこかで梨紗や他の子を下に見てる印象。実果はそんなグループに属しながら、全く信用していない様子。そんな3人の雰囲気を感じてか、竜汰と付き合っていることを隠しているかすみ。
沙奈は宏樹と付き合っています。宏樹もなんで沙奈と付き合ってるんかわからんような態度です。亜矢は宏樹のことが好きなのですが、行動に移すことはしません。そんな亜矢の気持ちを知ったうえで、沙奈は亜矢に見せつけるのです。
性格悪い。
しんどいですよね、こういうの。社会に出てもこういうことはありますよね。
ラストシーンで印象的だった、前田と宏樹の会話。宏樹はなぜか目に涙を浮かべます。
そしてエンドロールの宏樹の表記。
みんなそれぞれに( )の中に属しているものが表記されています。前田(映画部)みたいな。しかし、宏樹は( )空白のカッコのみが表記されています。どこに属していない、何もすることがない、目指すものがない。
クラスの中心人物の一人であり、長身でイケ面、彼女ありの宏樹が涙を浮かべた理由、それがこの空白のカッコにあるのかな、と思いました。
それと比較し、前田には撮りたい映画、目指したい監督があり、スポーツもダメ、暗くてクラスの女子から陰で笑われる、イケてないグループですが、それでも彼はラストシーンのゴタゴタの中、自分の理想とする映画を完成させるのです(空想ですが)。
かすみのことが好きな雰囲気は出していますが、竜汰と親密なところを目撃してしまう…。辛いシーンですが、それでも彼には「映画」があり、それのためなら気弱な性格でも、ロケの交渉に踏み切る。何もできない彼にも芯はある。
幽霊部員でも野球、バスケ、なんでもできる宏樹には肝心の芯がない。
自分の信じるものがあるタイプの人って、本当にうらやましく感じます。それさえあれば幸せですし、それを軸にものごとを決定できるので。
高校生のお話ですが、人生でこういう振り返りのタイミングはどこにでも見いだせるかと思いますので、なんとなく、ちょっとだけ、うっすらと落ち込んでしまう、そんなラストシーンでした。
アクションでもなく、仕掛けでもなく、なんでもない日常のピリッとする瞬間を上手に描き出す、邦画の良さが詰まった映画でした。未見の方はぜひ。
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